March 13, 2007

門司港レトロ 続き

前頁の若い男性駅員氏の写真掲載については、ご当人に当該写真をお送りし、目隠しの上掲載させていただくことの了解を頂いているので念のため。

スラリとしたハンサムな方なので、目隠しすることは却って失礼ではないかとも思ったのだが、どこでどのように使われるか分からない仮想世界のことゆえ仕方ないかと・・・

門司港駅の駅舎を出ると前頁の写真のように、駅前広場(レトロ広場)の路面に埋め込まれた噴水口より水が噴き上げられ、風も無くお天気も良かったので気持ちの良いものであった。

駅舎の左手には道路とコンクリートの埠頭を挟んで関門海峡が広がっている。

この道路は199号線であり、レトロ広場を囲むように直角に曲がった後、直ぐ国道3号線につながっている。

国道3号線は海岸線とほぼ平行に走っており、門司港レトロ地区と呼ばれている地域は、この国道3号線と関門海峡に挟まれた一角のことである。

199号線の道路はレトロ広場を曲がるのだが、真っ直ぐに進む道路もある。

この真っ直ぐに進む道を少し歩くと、右手に大正6年(1917年)に建てられた『旧・大阪商船の建物』がある。
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上の写真の『旧・大阪商船の建物』は現在『海事資料館』として公開されている。

ここを更に進むと近代的なビルの門司港ホテルに出て、門司港の一角に架けられた橋のたもとに出る。
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上の写真は橋のたもとから撮影したもので、赤いレンガの建物が明治45年(1912年)建築の『旧・門司税関』である。

現在、2階はギャラリー展望室、1階は展示室として公開されている。

隣のグレーの高いビルは門司港ハイマート。

勿論、レトロではなく近代的ビルディングである。

このビルの裏側に赤レンガ塀を壁として残した駐車場があるが、その前には出光興産の創業者・出光佐三氏の『出光コレクション』を展示している『出光美術館』がある。

美術館の外観や色彩はレトロとは異なる違和感を感じたが、出光興産が大正期に建てた資材備蓄庫を改装したものらしい。

日本画、書、陶磁器の常設展を行っているようだが、年末年始の休館期間であったために観覧できなかった。

出光美術館』から『旧・門司税関』方向に戻ってきた所に『北九州市立国際友好記念図書館』というドイツ風の建物があるが、これは明治36年(1903年)に帝政ロシアが大連市に建てたものをコピーしたものだとか。

下の写真は『旧・門司三井倶楽部』の建物で、大正10年(1921年)に建築され、国の重要文化財の指定を受けている。

3階建ての木造で門司生まれの林芙美子の資料室がある。
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国道3号線を越えて『栄町』も歩いて巡ったが、レトロ地区と言っても、近代的な街並みの中にレトロな建造物が肩身を狭くしてポツリポツリと点在しているといった状況。

ここも日本各地の観光地と同様、土産物店が並ぶ様子は同じこと。

ヨーロッパの町々が旧市街地を保存し、或いは景観を厳しく規制するという発想をするのに対し、日本にはそうした発想が無いためか、日本の歴史的・復古的景観というものは作られたニセモノ、或いは点の保存だけで面としての保存が無い非常に寒いものになっている。

北九州市の努力は一定評価するが、どうも私好みでは無い。

門司港駅に隣接する『九州鉄道記念館』が下の写真である。
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門司港駅そばの埠頭からは関門橋を望むことが出来る。

直ぐ目前に本州・下関側を眺めることができ、ここと下関港とは頻繁に連絡船が通っている。
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私の感想であるが、門司港レトロ地区というのは何だかテーマパークのような・・・イマイチであった。

関門海峡を眺めているだけで私は満足したのだが・・・・・



at 14:58|Permalink

March 12, 2007

門司港レトロ

やや順序が違ったが、小倉の町を巡って後、充分時間にゆとりがあったので門司港線の電車に乗った。

近年『門司港レトロ』として脚光を浴びている門司港周辺を歩いてみようと思い立ったのである。

小倉駅からは関門海峡に沿って電車が走り、進行方向左手には海峡の海と、その向こうに本州側の下関の町を眺めることができる。

途中、宮本武蔵と佐々木小次郎が決闘したと伝えられる巌流島を眺めることもできるが、所要僅か数分の乗車で門司港駅に到着する。
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門司港駅は終点でもあるが九州各線の起点でもあり、『ゼロ哩(マイル)碑』(ゼロ・キロ・ポストとも言う)が立っている。

門司港駅は昭和17年(1942年)に関門トンネルが完成するまで門司駅として大きい役割を果たしてきた。

日本には鉄道連絡航路が多くあった。

北海道の稚内と樺太の大泊を結ぶ稚泊航路、琵琶湖の大津と長浜を結ぶ琵琶湖航路、舞鶴と天橋立の宮津を結ぶ若狭湾航路、和歌山と四国・徳島を結ぶ和歌山・小松島航路、広島・尾道と四国・多度津を結ぶ尾道・多度津航路、下関と韓国の釜山を結ぶ関釜航路、博多と釜山を結ぶ博釜航路などだが、現在は宮島口と宮島を結ぶ宮島航路のみが残っている。

鉄道連絡航路でも車両を連絡船に積んで航送する車両航送は北海道の函館と本州・青森を結ぶ青函連絡船、岡山県の宇野と四国・高松を結ぶ宇高連絡船、そして下関と門司を結ぶ関門連絡船があったが、いずれもトンネルや橋の開通によって廃止されてしまった。

関門連絡船は残念ながら私は見たことがない。

長い煙突から黒い煙をモクモクと吐く関門連絡船の写真を父親のアルバムで見ただけである。

宇高連絡船は乗ったことがないが、客車を積んだ連絡船は見たことがある。

車両航送を最期まで行っていた青函連絡船には乗船したこともあるが、3本のレールが船室にまで延び、そこに客車が乗せられるのはなかなか壮観なものであった。

私が乗船したのは羊蹄丸と、確か十和田丸だったと思うが、先日、東京のお台場を訪れた折に『船の科学館』の岸壁に羊蹄丸が係留されているのを見つけて随分懐かしい思いを抱いたものだ。

門司港駅の改札口では開業当時の省線(国鉄)の制服を着た若い駅員さんが出迎えてくれた。
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金モールを付けた黒い制服姿にレトロを感じたので写真撮影をお願いしたところ快諾していただいたのでパチリ。

下は『切符売り場』。

内部は現代的であるが、見かけはレトロで懐かしい気がした。

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下は軽食・喫茶といったところだが、駅構内のレストラン『紗舞館』。
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門司港駅の駅舎は木造2階建てで外観から分かるようにネオルネッサンス様式の建物である。

大正3年(1941年)に建てられ、国の重要文化財に指定されている。
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この駅頭でも観光客相手の人力車を置き、車夫が声を掛けてきた。

見かけは懐古的で良い、営業活動も必要で大切なことだと思う、が、その昔も力車の車夫が声掛けの営業をしていたのだろうかと・・・何か不思議。


at 14:34|Permalink

飯塚・嘉穂劇場

長崎街道について書いていたので話題が小倉へ飛んでしまったが、飯塚と炭鉱に関わって忘れられないモノがあった。

嘉穂劇場である。
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『嘉穂劇場』は大正11年(1922年)に『中座』として開場した古い劇場である。

しかし、昭和3年(1928年)に全焼、再建後の昭和5年(1930年)には台風により倒壊、翌6年(1931年)に落成して現在に至るが、平成15年(2003年)には九州地方を襲った豪雨により甚大なる被害を受け、その存続が危ぶまれたが、修復作業を終え、全国座長大会を始めとする数多くの興行により立ち直り、平成18年(2005年)には国の登録有形文化財になっている。

玄関は大きいガラス張りの戸で、興行演目や出演者などを描いたポスターが貼られ、懐かしい昔の演劇場そのものの風情である。
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写真でも分かる通り木造2階建ての入母屋造りで、客席は1階と2階に桝席と桟敷席があり、750人~1200人を収容できる大きい劇場である。
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石炭産業が華やかで筑豊地方が活気で溢れていた大正から戦前の間、飯塚には『中座(嘉穂劇場)』のほか、『栄座』『第二大吉座』『新世界座』『交友座』『真富座』があり、田川には7軒、嘉穂郡には6軒も芝居小屋があったらしい。(近大九州・桑原調査、S48)
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上の写真は舞台より客席を眺めたものであるが、本花道と仮花道の2本があり、回り舞台を擁する堂々たる劇場である。

回り舞台は、この舞台の下、つまり『奈落』において、下の写真の右端手前に上から下へ延びる丸太(もっこ棒)を人が肩で円周に沿って押して回すのである。

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何人がかりで押し回すのか聞き漏らしたが、丸太(もっこ棒)が何本もあったし、直径15.8mの円形舞台を回すのだから、少なくとも数人がかりになるのだろうと推測できる。

この嘉穂劇場を存続させるということでは、興行を通して多くの芸能人がこの舞台に上がっている。

演劇関係では九州を本拠地とする座以外に、18代目・中村勘三郎、勘九郎らの歌舞伎一門、茂山千之丞らの狂言一門、梅沢武生劇団と梅沢富美男、落語では六代目・柳家小さんら、劇団民芸や俳優では長門裕之、南田洋子、中村玉緒、津川雅彦、西田敏彦ら、歌手では森進一、水前寺清子、五木ひろし、八代亜紀、細川たかし、橋・舟木・西郷の御三家など、その他、大林宣彦、田原総一郎、玉置 宏など、著名な者達が名前を連ねている。


at 11:26|Permalink
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