February 20, 2007

居酒屋『どんどん』・広島

『鹿島』の人たちには呉市や広島市に居を構え、島を離れて働いている人たちが結構いる。

島での仕事には限りがあるというのが大きい理由である。

これまでに書いたように、農業と言っても急傾斜地の島の地形から水田耕作は用水の関係もあって難しく、結局温暖な気候を利用した『みかん栽培』くらいとなるが、小さな島において耕作面積は狭く、大規模なものとはなり得ない。

本土と陸続きとなったものの島で新たな産業を興すほど立地条件として恵まれた環境にはない。

結局のところ漁業を継続するか、漁業に関連する民宿経営といったところに落ち着くが、これも季節産業に近い側面を持っている。

そうした条件もあって、呉市での『焼き鳥屋』、広島市での『魚料理屋』などの事業を行っている人もいる。

呉市での鹿島出身の『焼き鳥屋』は結構多いが、私は未だいずれの店も行ったことがない。

ここで紹介するのは広島市中区新天地にある居酒屋である。

広島の夜と言えば『流川』の名前が出るくらいに有名であるが、『パルコ』や『ヤマダデンキ』などと、中央通りを挟んだ東側の一角、『新天地』『流川町』『薬研堀』という町の一部に飲食店が集中しており、通常、それらを総称して『流川』と呼んでいるようである。

この中央通りから一つ東の筋に『どんどん』という居酒屋がある。

メニューには沢山の料理の名前が出ているが、チェーン店のように冷凍食品をチンして出すのではない。

言ってみれば海鮮・居酒屋であり、魚介類は『鹿島』近海で獲れたものを中心に素材として調理するのである。

野菜にしても倉橋島のものを多く用いている。

と言うのも、ここの経営者、実は鹿島出身というか、住居も鹿島にある。

鹿島では『ロングビーチどんどん』という民宿を経営し、この新天地ではビルの1階を『どんどん』、地下を『海鮮問屋・ながはま』として鹿島近海の魚を提供しているのである。

民宿『ロングビーチどんどん』は鹿島の瀬戸地区、写真に紹介した漁港に面した所に位置しており、生簀に獲った魚を入れ、その魚を毎日生簀付きのトラックで新天地の店に運んでくるのであるからピチピチのものが常時店にあるというわけ。
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この時はサヨリの刺身をいただいた。

毎回決まって食べるのは『もずく』。これは鹿島産のもので食感が良い。

魚は、その日その日で最も良いものを頂くことにしている、と言うより店長兼板長の川口さんが調理して出してくれるのである。

タイの時があれば、カワハギの時もあるし、オゴゼの時もある。

刺身の時があれば、煮付けの時もあり、揚げ物の時もある。

広島の後輩に初めて連れてもらった時に、店の主も働いている人たちも皆、鹿島の出身であることを知ってから、懐かしさも手伝って強い親近感を抱き、以後、広島に立ち寄る際には必ず店に顔を出してきた。

2度、3度と通えば人柄も分かるし、料理の素材も調理の出来映えも自分の好みに合うかどうかも分かってくる。

勿論、それら全てを総合して醸し出される店の雰囲気も分かってくる。

その後、特に自分がコレと思うものが無い限り、川口さんにタノムと言うだけで任せっきりであるが、落胆したことは無い。



at 15:11│
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