July 02, 2007

北海道へ向かう 3

第7便3号『はやぶさ』は午前11時35分定刻に離岸。

沢山のトラックや乗用車を航送することになった『はやぶさ』であるが、船上部の客室(カーペット敷きの広間)は混雑しているという状況ではなかった。

トラックの運転手たちには乗務員用の部屋があるし、また、テレビを視聴しタバコが吸えるラウンジもあって、多くの運転手たちはラウンジで昼食の弁当を広げたりしていたので、私達は自動販売機を設置してある小さな部屋にいることにした。

この小さな部屋にはテーブルと4つの椅子が置いてあり、ガラス窓越しに外の景色が見える上、灰皿が設置されていたからなのである。

天候は徐々に回復傾向にあり、青森港のフェリー埠頭を出航した『はやぶさ』は、波静かな陸奥湾を穏やかに航行していった。

ぼちぼち竜飛岬を左に見るという辺りを航行していた時、甲板デッキで津軽半島を眺めていた私は一定のリズムで白い波が立つ様子を目に留めた。
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うん? イルカではないだろうか・・・
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6頭のイルカがフェリーに沿って伴走しているのである。
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伴走と言うのが正しいのか伴泳と言うべきか・・・
しばらくの間、フェリーと共に見事なドルフィン・キックで泳いでくれたが、船足の方が速く、やがて後方に見えなくなってしまった。

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イルカは船のエンジン音に興味を持って共に泳いでくれるようだが、イルカの伴走はタイのアンダマン海で小型エンジンを積んだロングテール・ボートの供にジャンプしながら泳いでくれた時以来でとても嬉しい気分であった。

アンダマン海ではイルカの方が遥かに速かったが・・・

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やがて、フェリー進行方向の右手に下北半島が見えてきた。

上の写真が下北半島であり、向って左端が“大間崎"、右端の方が佐井の“仏ヶ浦"あたりである。

“大間崎"は大間漁港のある町で、最近では津軽海峡でのマグロの一本釣りで有名なところである。

“仏ヶ浦"というのは、大間と、ニホンザルの北限の地として名高い脇野沢村との中間に位置し、風雨や荒波によって浸食を受けた白い凝灰岩が海岸に沿って林立する景勝地で、昭和40年頃は佐井から船で行かねば訪れることが出来なかった所である。

現在は自動車道路が通っている。 余談ではあるが、下北半島近辺の海で遭難した者は海流の関係で皆、この“仏ヶ浦"に上がるのだと聞かされたことがあった・・・40何年か昔の話である。


at 07:07│
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