October 06, 2007

土佐料理 に志むら

この店については以前にも書いているように贔屓にしている割烹の一軒である。

9月末に寄った時、既に“戻り鰹”の良いのが入っていたので、昨夜行きつけのショット・バーで食前のマティーニを頂いてから出向いた。

上の座敷は満席。1階のテーブル席も詰まってカウンター席だけが空いていた。

金曜日とは言え、月初めから結構なことである。

もっとも、一人静かに楽しみたい(一人の時は)私はカウンターで良いのである。

カウンターの中では主人と若い板前が調理しているのであるが、少し背伸びをすると彼らの作業の様子が見えるし、主人との話も楽しいものなのである。

但し、のべつ幕無く話し掛けているわけではない。

酔うても酔わなくてもベラベラ喋りまくる人を見掛けることがあるが、これは板前にとって迷惑なものである。この店でそうした客を見掛けたことは未だ無い。

に志むら』の暖簾をくぐって店に入ると、顔を合わせた主人が、
おお、あるで2本。」
よっしゃツバつけた。」
今日からや。」
そうかええか?」
勿論やないかわしが見たんや。」
と、これだけの会話では何が何か分からないであろう。

が、私達にはコレで充分なのである。

解説すれば、これは『土佐寿司』と言う棒寿司についての会話であり、『に志むら』は寿司屋ではないので普段沢山の『土佐寿司』を作るわけではないため先客に売れてしまって、それを好物とする私が求めた場合に無い時が何度かあったことと、春から夏の間はアジを使うのだが、秋から冬の旬には真サバを使用する、この真サバの『土佐寿司』を私が好むことを知っている主人が、今旬初めて真サバを使った『土佐寿司』を作ったが、それが今なら2本あるから要るか?と言うことと、私が脂ののった良いサバだったかを訊ねるのに対して、自分が見立てて仕入れてきたモノだから自信を持って美味しいと言えるものであるという会話なのである。

昨夜の突き出しは『萩豆腐』。流し豆腐の上に小豆を載せ、オクラを刻み叩いたものをかけ、萩の花をあしらったものだが色合いが良くて美味しいものであった。

これの写真は無い。

下は、昨夜の酒肴。
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戻り鰹の刺身”と“銀杏”を炒ったもの。(上)

下は、“戻り鰹の刺身”。

写真でも分かるように、よく脂がのってきている。
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下は、外のカマドで萱を燃やして一気に焼き上げた“カツオのたたき“。
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萱が燃えた香りの付いた“鰹のたたき”は絶品。

ご機嫌になって暖簾をくぐって石畳の法善寺横丁に出る。

女将と仲居が出てきて『チュウ』。

いやいや、チューチュウ』ではない。

女将、「また来てね。まっチュウきに」

ははははは

大阪やったら、「また来(き)とくんなはれ。待ってまっさかい」というところだが、土佐の表現では上のようになる。


at 08:35│

この記事へのコメント

1. Posted by aicom   December 25, 2007 16:08
ご無沙汰しております。今日のサンケイ新聞に出てました。今日が最後みたいですね。藁が手に入らないのが原因らしいです。このようなお店がなくなるのは残念です。
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