February 23, 2008

広島・流川あたり・『若竹邑』

居酒屋『どんどん』については既に書いた通り、私の夜の散歩の出発点である。

最初に私を『どんどん』に案内してくれたのは後輩で、私が広島を訪れるごとに相手をしてくれていたが、頻繁に異動する立場なので現在はいない。

県教育庁、寺院、広大と先輩、同輩数多くいるが、前述の後輩の他は退職したか、東広島へ移って共に飲む機会が少なくなってしまった。

昼間にお茶をというのもいるが、これはあまり面白くない。

先輩で広島の寺院住職(現在は息子さんに譲っている)をしていた人に紹介された店に流川の『白鷹』がある。
eb3e541b.jpg

奥には座敷もあるが、店に入った所は白木カウンターの割烹店である。

大将夫婦に熟練の板前氏がカウンター内にいるが、大将は調理を引退し、現在は息子の洋平氏が加わっている。

旬の素材を用いての料理はなかなかのものである。

が、老舗で人気の高い店というのは常連さんも多く、予約をしておかないと席を確保出来ないので私のように予定を立てずに訪れる者にとっては行きにくい店となる。

先述した元・住職の先輩が1年ほど前、「器に凝っておる主人の店がある」と教えてくれたことがあった。

この先輩、美術品に対する造詣深く、民芸運動で活躍した河井寛次郎、浜田庄司、富本憲吉、柳宗悦、バーナード・リーチなどの作品も蒐集しておる。
bd9c59c5.jpg

流川・仏壇通りに面した上の写真のビルの3階『若竹邑(わかたけむら)』が教えてもらった店である。

休日はコンビニ以外にほとんど店を開けていない流川にあって、この若竹邑』は営業していたので入ってみることにした。

エレベータで3階、出た所に入口があり、店に入って左手に長いカウンター席と背中合わせに座敷がある落ち着いた雰囲気の店であった。

オーナー兼調理長の奥 勝美氏はリーガロイヤル広島の和食『なにわ』の調理長をしていた人で、仙台のホテル『瑞鳳』の総料理長を務めた経歴の持ち主であり、自らカウンター内での調理にあたっている。

カウンターに座った私からは右手奥の厨房の中を見ることは出来なかったが、私が訪れた時はカウンターに奥氏、厨房に板前氏が一人、お運びの女性が一人と、休日は3人体制のように見ることができた。

下は、先付けとして出された茶碗蒸しに葛餡をかけたものであったが、葛餡に工夫があったが忘れてしまった。お出汁は程良く、写真では見にくいが椿の花を添えてある。
68c41ea6.jpg

下は、注文した刺身の盛り合わせ。
2834830b.jpg

ヨコワとハリイカを盛ってもらったのだが、脚付の漆器にカマクラ風の盛り付けと、見た目にも楽しめ高級感を出していた。

タマリだけでは無く岩塩を添えてあるのも素材の良さを証明するものである。

蒸し物は有田焼かと思われたが、先輩が「荒々しい焼き物」と言っていた器を見ることはできなかった。

しかし、焼酎の湯割りを青磁のような焼き物(蒸し物の写真の右手)にて提供する心遣い、つまり通常の湯呑み茶碗に被せるように網目の部分を焼いている二重構造の器を使用していることで湯呑み茶碗を持つ時に熱さを直接感じないようにさせる気配りがある点、これはなかなかのもの。


私のように料理を頂き、酒を飲み、時にタバコを吸う者にとっては若干窮屈な思いをするが、全体的な雰囲気としては女性に好まれそうな店である。

事実、昼食時にも営業しており、女性客が多いということも聞いた。

我が先輩も喜寿を迎えてオトコを卒業、女性的になったということなのかも・・・

私はマダマダ・・・ぶっははははは


at 07:24│
記事検索
月別アーカイブ