March 20, 2009

久し振りの『博多・紀行』 続き【2】 ホテルの選択B

先のページで『冷泉閣川端ホテル』を利用したことを書き、インターネットによる某ツーリストから予約すれば宿泊料金が随分安いことも書いた。

ホテル業界も不況の煽りをくっているためだろうか、通常の宿泊料金は維持したままで期間を設定して安い特別プランを提示しているところが多い。

前ページで『居住性やホテル自体が有する品位の優劣は比ぶるべくもないが』と書いた。これはネームバリューと言うか一般によく名前を知られたホテルのことであり、イコール宿泊基本料金が高いのが通常であり、部屋は広く防音など建築上の配慮もさることながら、設備品においても優れているものである。

しかし、間違ってはいけないので書き足しておくが、ホテル自体が有する品位というのは施設・設備・備品などを含めた居住性を言っているのであって、ホテルスタッフという人間を含めているわけではない。

スタッフに対する教育はいずれのホテルでも行われ、彼らに対する接客などの研修義務化も当然のこととされているはずであるが、施設・設備・備品などの維持管理、そして直接接客に携わるのは『ヒト』としてのスタッフであり、時に『仏作って魂入れず』といった有名ホテルもある。

安いホテルだから当然などと言うつもりはないが、この『冷泉閣川端ホテル』のスタッフも全てが良いと、つまり一人一人のスタッフが『冷泉閣川端ホテル』を代表する1人であるとの自覚を体現していると私には思えない者もいる。

殊更に媚びを売る必要は無いが、以前より所謂愛想の悪い感じの悪いのがいるにはいる。が、常に顔を合わせるわけでも無いので私は気付かぬ風を装っているだけである。

宿泊料金が安いからという点について挙げれば、防音と部屋の広さの2点であろう。

ホテルの建物外との防音は良いのだが、隣室や廊下との防音についてはイマイチの感有り。

部屋の広さについては構造上仕方が無いだろうと思いつつも、ユニットタイプのバス・トイレはいただけない。

でも、博多の簡易ホテルでは、未だひと回り狭いタイプのものを設置しているところも私は知っている。長浜の『天神SBホテル』であり、ここは2度と泊まるつもりは無い。

つまり、いずれもユニットタイプのドアを開ければ洋式便器と洗面台、それに底面が三角形状のバスタブが一体となっており、『天神SBホテル』の場合は洋式便器の直ぐ後ろに洗面台、その便器と洗面台の直ぐ横にバスタブがあり、ドアを開けてユニットに入れば、その立っている位置以外には極端に狭いバスタブに入って立つ以外に立錐の余地が無いという狭さなのである。

『冷泉閣川端ホテル』の場合は狭いながらも洗面台の前に立てるスペースがあるにはあるが、“おにぎり”の如き三角形を底面とするバスタブに浸かろうとすれば誰しもが皆同じ方向でなければならず、浸かっても半身浴状態で立ち上がろうとするのに相当苦心するバスタブなのだ。

『天神SBホテル』の場合など私のような肥満体ではスッポリ嵌まり込んで抜くに抜けない状態であったことを思い出す。

気になる部分を先に挙げたが『冷泉閣川端ホテル』の悪口を言うつもりはなく、事実を事実として書いただけであり、私が『冷泉閣川端ホテル』を何度も利用し、同行者を連れて行ったり更に宿泊先として他の者たちに紹介したりしていることで分かることであろう。

何よりも気に入っているのは宿泊料金が安いことであるが、立地条件に優れていることも、そのひとつである。

福岡空港からも博多駅からも地下鉄・中洲川端駅で降り、5番出口から川端通り商店街のアーケードを歩いてくれば例え雨天であっても殆ど濡れることは無い。しかも中洲は徒歩2分と近く、那珂川沿いの春吉橋の屋台群までも7~8分程度の距離である。

ホテルの前は冷泉公園であり、櫛田(くしだ)神社へも4~5分である。
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櫛田神社には伊勢松阪の櫛田神社の祭神・大幡主神を勧請、併せて天照大神と素盞嗚神の三神が祀られているが、創建が757年とされているので奈良時代となる。(上は櫛田神社の北側の門である)

下の写真の奥に社殿がある。
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櫛田神社は博多の総鎮守ではあるが、一般には『祇園山笠』(櫛田神社祇園例大祭)の名前の方が広く知られているのではないだろうか。
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上は神社東側にある正門鳥居であり、正面の奥に社殿・拝殿がある。

祗園山笠のヤマ(山車)は写真左手の境内を一周して早朝の博多の町を駆け巡る。
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上は櫛田神社の東側にある『博多町家ふるさと館』で明治期の町家を移築、復元保存している。

町家では博多の伝統工芸や伝統芸能、歳時記など民俗に関する紹介をし、実演したり体験学習の場として提供している。

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上は櫛田神社の直ぐ南側、国体道路に面して位置する萬行寺(まんぎょうじ)の山門である。

萬行寺は山号を普賢山と称する浄土真宗のお寺で1529年に空性(くうしょう)が開基とされ、真宗の寺らしく境内には『お念仏しなされや・釈恒順』の碑がある。

萬行寺が建つ祇園町の一画には覚永寺、順正寺、善照寺なども建ち、キャナルシティから那珂川の堤へ出て天神中央公園を巡ってホテルに戻るというように、朝の散歩道として良いコースがあるのだ。

散歩を終えてホテルの小さなレストランではあるが、そこで朝食を摂るのが私の朝の行動。

和定食と洋定食があるが勿論私は和食。価格は840円だが、ご飯、味噌汁、焼き魚、小さなザル豆腐、海苔に漬物、それに少しずつだが明太子と塩昆布に玉子焼が小皿に盛られているもので朝ご飯としては充分である。

この玉子焼というのは親指の先ほどのものを2切れだから、玉子焼が大好きな私には量的に不足であるし、甘味のあるお菓子のようなものだから私に言わせれば玉子焼には非ずということになるのだが・・・

しかし、コーヒーなども自由に飲めるので良しというところか。

気に入らなければホテルのすぐ横の川端通り商店街の角に向かい合って24時間営業の博多ラーメンの店とうどん店があるので、500円程度の定食を食べるのも良いのではなかろうか。

2000円の朝ご飯を食べるつもりならハイヤットへ行くなりエクセル東急の『梅の花』へでも行けば良いのであって、寝るということだけを考えるならば『冷泉閣川端ホテル』は料金的にも充分満足出来るホテルであると私は考えているのである。

博多のホテル選択についてはこれにて終了。


at 11:29│
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