June 27, 2009

北欧の旅 (14) コペンハーゲン フレデリクスボー城 (2)

前ページでも少し触れているが、クリスチャン4世はデンマーク東インド会社を設立して海外交易を活発に行った。

当時のヨーロッパ各国は重商主義をとり、オランダ、スペイン、イングランドなどが海外交易を活発化させ植民地化を進めていたためクリスチャン4世もそれらと歩調を合わせる政策を展開していた。

そのため艦船の増強にも力を入れていたが、隣国スウェーデンとはズンド海峡(エーレスンド海峡)を挟んで隔たっているとは言え、その距離は最短部分で7kmであり地形的には常に緊張を孕むものであった。
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               上はフレデリクスボー城である。

地形という意味においてデンマークは北海とバルト海を分ける位置にあり、バルト海より北海へと外海との出入りのために船は必ずズンド海峡(エーレスンド海峡)を航行しなければならず、デンマークではエーリック7世の頃(15世紀半ば)より海上(海峡)通行税を徴収していた。

クリスチャン4世が要塞化したクロンボー城はズンド海峡(エーレスンド海峡)の最も狭い場所に面しており、海上航行艦船に対して、また隣国スウェーデンに対して防衛的要素をも兼ね備えた城塞であったと言える。


今回はクロンボー城へ寄らなかったので参考までに以前の写真を掲載する。
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               上がクロンボー城(Kronborg Slot)。

下の写真、デンマーク国旗の下には大砲が並び、向こうの青い部分が海峡であり、彼方の水平線上に並ぶ白っぽい部分が対岸スウェーデンのヘルシンボリの町である。
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ちなみにクロンボー城は世界遺産に指定され、シェークスピア(William Shakespeare)のハムレット(Hamlet)の舞台になったということでも知られている。

ハムレットの正式な題名はThe Tragedy of Hamlet,Prince of Denmarkであるがハムレットだけで通用するし、何と言っても『To be, or not to be: that is the question.』が余りにも有名である。

戯曲におけるエルシノア(Helsinger)城はクロンボー城のこと。 デンマークの王子ハムレットを主人公に実在する町・エルシノアを舞台にしたシェークスピアだが、彼はデンマークを訪れてはいないと思うのだが実際には知らない。


さて、フレデリクスボー城に話を戻すが、写真は礼拝場。
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立派な身廊の正面にはパイプオルガンが設えられ左右には側廊がある。

下の絵はスウェーデン王・ギュルヴィより一晩中に耕した土地を譲り受けることを約束したゲフィオンが、息子たちを四頭の牛に変えて土地を耕させているデンマーク国産みに因んだものである。
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フレデリクスボー城を駐車場のある正面入口から入って何枚かの写真で紹介してきたが、裏手の方には樹木を綺麗な模様に刈り込んだフランス風の庭があるし、今回は時間が無くて回りきれなかったが、下の写真のように城の一面は広い池になっているので写真の奥の方から城を眺めてみることを薦めたい。
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フレデリクスボー城の全体を眺めるならばお薦めのポイントである。


at 10:34│
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