November 19, 2012

みちのく行 (6) 猪苗代~磐梯吾妻スカイラインへ

さて野口英世記念館を訪れた後、裏磐梯・五色沼の散策に向かうためR115を北上、東道南甲からR459に入り坂道を上って行った。 この国道は磐梯山、赤埴山、櫛ヶ峰の東側を周りこむように裏磐梯、つまり磐梯山の北側に出るルートなのだ。

やはり紅葉を求めてなのかR459に入ってから乗用車の数が多くなったなあと思いつつ五色沼の駐車場まで行ってみると、何と駐車場は車でいっぱい。 
「ええっ、今日は火曜日やで」。 
pict-裏磐梯観光地図
そこへ黒い詰襟服の高校生だろうか、五色沼の探勝を終えて戻ってきたのだろう、数人でひとかたまりとなったグループが次々と駐車場の車の間を詰めていくものだから我が車を動かすことも出来ず、結局駐車場の中を一巡して出口を出てしまうことになってしまった。 人出の多さに驚きつつ止むを得ず磐梯吾妻レークライン方向へ向かうことにした。

上の図で大きい湖が3つあるが、左から檜原湖、小野川湖、秋元湖で、五色沼は図の中央下やや左一帯になpict-P1060150涼風峠る。 
これらの湖沼は
1888年(明治21年)に磐梯山の北面(小磐梯)の噴火による土石流などによって堰き止められて出来た(堰止湖)もので最も大きい檜原湖は面積10.7㎢で
標高822mの位置にある。

写真は涼風峠(磐梯吾妻レークライン)から見た小野川湖。

紅葉には未だ少し早いと感じていたので五色沼の混雑ぶりは一体どうしたのか不思議に思っていたのだが、磐梯吾妻レークラインに入る時、『通行無料』と記されていたので、ひょっとするとこれが混雑の理由かも。
pict-P1060152三湖パラダイスそれにしても火曜日だったのだが・・・

写真は三湖パラダイスと名付けられてた展望所からの眺望。
手前が小野川湖、その向こうに見にくいが檜原湖。中央遠くに八森山が見える。 右側で色付き始めているのはナナカマドである。 この葉が紅葉すると真っ赤になるので紅葉と言うには未だ少し早いことが分かると思う。
三湖パラダイスの残りひとつ、秋元湖は道路を挟んで少し見えるだけなのでここでは写真は割愛。
それよりも裏磐梯の姿を。
pict-P1060154磐梯山と櫛ヶ峰望遠レンズを持っていたなら磐梯山の北側の荒々しい火山の顔を紹介出来るのだが・・・
右が磐梯山で左は猪苗代SAの場所からは見えなかった櫛ヶ峰である。
表磐梯で見えていたのは磐梯山と赤埴山で、櫛ヶ峰は磐梯山の後ろになっており見えていなかった。
1888年の噴火では磐梯山と櫛ヶ峰の間あたりが噴火で吹っ飛び、火山砕屑物が土石流や火山泥流となって水の流れを堰き止め、当時の檜pict-P1060158秋元湖原村は檜原湖の湖底に沈み多くの犠牲者を出したそうだ。

上の写真は秋元湖。 標高は736mであり、これらの湖を結んで通っている磐梯吾妻レークラインは11月中旬をもって冬期通行禁止となる。
この秋元湖畔を過ぎて山間の道を更に進むとR115に出る。 この道路をしばらく上ると土湯バイパスに出て、ここから磐梯吾妻スカイラインに入って行くのだが、ここの分岐がヤヤコシイ。 土湯バイパスのトンネルはR115なのでスカイラインに行けない。 これは道路の案内表示に問題があるように感じたのだが、どうだろうか。 我が車のナビは新しい道路を知らないので相手にもしなかったのだが・・・

しかし何とか磐梯吾妻スカイラインへ入ることが出来て以後上り坂の連続であった。
pict-P1060163国見峠から磐梯山を遠方に磐梯山が望める国見峠あたりだ。
先に立ち寄った五色沼で車と人の多さに驚いたが、スカイラインに入ってpict-P1060172東吾妻山又々乗用車が数珠つなぎ。 平日なのにこの混みようは一体どうしたことかと首をひねるばかり。

前方に東吾妻山が見えてきたので間もなく浄土平に到着だ。

車前方の景色が変わって、下のこれはpict-P1060173吾妻小富士吾妻小富士。 
字の通りちっちゃな富士山で高さは1707m。 浄土平の標高が1580mだから火口壁へも容易に登ることが出来るし、火口の周囲が4~500m程度だから運転の休憩時に丁度良い運動になるかと思っていたのだ。

が、何と何と。

広い浄土平の駐車場も満杯。 よく探せば駐車スペースがあったかもしれないが、吾妻小富士にも沢山の人たちの並び立つ姿を見てウンザリ。

噴気を出しているのは一切経山の大穴火口。 浄土平と言うのは一切経山と東吾妻山、それに吾妻小富士に囲まれた広い湿原だが一切経山の火山活動によって噴出した火山灰質土石が風化することによって帯水性の土質となって湿地を構成したらしい。
pict-P1060175一切経山の噴気この一切経山は1893年(明治26年)に噴火した後、1977年(昭和52年)、2008年(平成20年)に噴気を上げており、明治の爆発では2人が犠牲になったとか。

写真でも噴気が確認出来るが要注意の山であり確か登山は禁止になっていたような。

ともかく景色だけ楽しみながら下っていくことにした。
 下は左端が一切経山の噴火口で右手の白い色のあたりが賽の河原方向になるが、2枚の写真を結合させる際、継ぎ目あたりに整合性を認められない部分があったので凡その感じとして見てもらいたい。
pict-一切経山と東吾妻山合成完了
磐梯吾妻スカイラインは左手の一切経山の噴火口近くにある浄土平駐車場から上の写真右手の賽の河原方向に下って行くのだが、車の運転に際して駐停車しないこと、窓を開けないことの二つが道路わきの案内板に書かれていた。 
火山性ガスに対する注意を喚起しているのだ。
Poison gas火山の噴気孔から出るガス(気体)は空気中で白くなるので大部分は水蒸気だが、硫化水素、二酸化硫黄、二酸化炭素、塩化水素など無色で空気より重いガスも含まれている。
二酸化炭素に臭いは無いが他のガスは臭う。 塩化水素は水と結びついた塩酸がよく知られているだろうし、硫化水素や二酸化硫黄は硫黄との化合物で『ゆで卵』の臭いと言った方が分かりやすい。 二酸化硫黄は亜硫酸ガスと言った方がより分かりやすいかも。 
これら臭いのきついガスは少量だと『クサイ』ので直ぐに分かるが、濃度が濃い場合には嗅覚刺激を麻痺させ突然呼吸障害を起こさせ死亡させる毒性の強い気体である。
火山の噴気孔に近い谷間、くぼ地といった所では空気が淀み、空気より重いこれらのガスが充満していることが原因で登山者やスキーヤーが死亡するという事故がこれまでに何件も起きている。
見えないだけに怖いのである。

怖がりの私だから用心して運転していったのは当然のこと。 



masatukamoto at 17:45│Comments(0)TrackBack(0)

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