December 21, 2013

恥の文化・・・

日本文化を 『 恥の文化 』 と評したのはルース ・ ベネディクト ( Ruth Benedict ) であり、彼女が著書 『 菊と刀 』 において欧米文化を『 罪の文化 』 として対比類型したものであった。

欧米人の倫理・価値・文化観というのは内的良心を意識したもので、その根底は一神教であるキリスト教の原罪pict-菊と刀-1意識に立脚し、神の前で罪を意識して生きるものであるとするものだ。
それに対し日本文化は外的な批判を意識する 『 恥 』 であるとしているのだが、完璧にして正確とまでは言わないが一面、的を得た定義であると私は受け止めてきた。

R・ベネディクトの 『 菊と刀 』 に初めて出会ったのは
1966 年だった。 かな ?  品川清治先生の社会学特講か英文講読の時だったような・・・・・。
日本人の行動規範となる価値基準は周囲の人たちの目、つまり、周りからどのように見られるか、見られているかということが日本人の行動を規定・制御する示準となっており、こうした外面的制裁を『恥』という言葉をもって日本文化を一括りにしているのがベネディクトの説である。  この、『 菊と刀 』 を読了作田啓一-1後、その要約と私見を発表せよというのが品川先生の指示だった。( と思う )

説は説として素直に受け入れていたのが当時の私だったように思うが、翌年だったか作田啓一・京大教授が 『 恥の文化再考 』 を出版し、ベネディクトが一括りにした日本文化=『 恥の文化 』 観に異論を唱える立場があることを知ったのだった。

ぶっははははは。
またまた寄り道のような・・・・・
近頃は回り道が多くなったが、昔のことがよく思い出されるのだ。

『 過去に起こったことを全て映像で記憶している。( だから ) 昔のことでも即座に思い出せる。』 と語っていたのは猪瀬直樹・東京都知事である。 いや、既に辞表を都議会議長に出した猪瀬直樹ゆえ、正しくは前・東京都知事になるかな。
pict-P1080515-A映像化して記憶させることは直接・間接に拘わらず記憶をより鮮明にさせるという点で効果があると私も感じていることだが、残念ながら認知心理学や神経生理学などの分野での明確な実証報告を未だ耳にしたことがないのだ。

しかしなあ・・・・・過去の出来事を全て映像化して明瞭に記憶している猪瀬氏のはずが、エエ加減で曖昧な、間違いだらけの記憶を語っとる。

マスコミとの会見や都議会で答弁する猪瀬氏の姿に日本文化の 『 恥 』 というものを見出すことは難しかった。
彼が認知症患者 ( 以前は老人性痴ほう症と言われていた ) であるという症状も認められないし・・・・・

強いて強いてだが、あえて猪瀬氏の良心と言うか彼の内面にあるかもしれない 『 恥 』 と言うものを見つけてあInose-22げるならば、都議会中継で答弁中の猪瀬氏が盛んに汗を流していたということぐらいである。

脳波、心拍、血圧、呼吸など、脳から発せられる微弱な電気信号を正確に測定する機器の開発が進み医療が飛躍的に進んだことは誰もが認めるところである。

ただ、血圧や呼吸、或いは発汗作用などは意識的に訓練することによって故意に数値を変えることも可能ではあるが、テレビ中継時にタラタラ沢山の汗を背広の襟にしたたり落とした猪瀬氏に果たして訓練時間があったのか、どうか。
流れ落ちる汗までアップ映像を撮られることまで予想していたとも考えられないことなどを思えば、強弁の裏に垣間見せた猪瀬氏のノミの心臓と、つまり小っちゃいTohden-Hospital-1-1チッチャイものではあるが彼の持つ 《 良心=恥 》 の表れと見てやっても良いかと私は思う。

徳洲会からの無担保・無利子・返済期限なしの
5000万円。
貸金庫がどうのとか、
5000万円の運び方がどうのとか。 
借金なのか、選挙資金なのか・・・・・
東京電力病院の売却を要請 etc

いずれも猪瀬氏が東京都副知事の職にあった時のこと。
公務員の服務との関わりで言えば、5000万円の貸借関係を認めた時点でレッドカードである。

pict-オオカミ-2そこへ選挙資金かもしれないという疑惑。 東電病院の売却要請も何やらヤヤコシイ。

猪瀬氏が石原慎太郎前知事より後継者の指名を受け、自民党、公明党、維新の会の支持を受けて都知事選に立候補。
日本共産党や社民党の支持を受けて立候補した日弁連前会長の宇都宮健児氏らを破って猪瀬氏が当選したのが昨年の今頃だった。
それも 433 万 8936 票 ? だったか、史上最多という得票を記録してのことだった。
東京都の有権者数が 1080 万人程度だから実に半数近い都民の支持を得たのが猪瀬氏だったわけだ。

ここで忘れていけないのは彼を支持したのが自民党、公明党、維新の会だったということ。 
pict-オオカミ-1
このヤヤコシイ問題に対し都議会が真剣に取り組むつもりがあるならば、最初っから地方自治法に基づく 『 100条委員会 』 を構成して解明すべきであることを私は当ブログでも書いてきた。

しかし、先ずは本人の説明を聞いてみないとと、自民党や公明党は総務委員会での質問という方法を選んだ。
結果、訂正に訂正を加えてノラリクラリと 『 記憶にございません 』 と、あしらわれてばかり。
追及の限界を感じて 『 100条委員会 』 設置を決定しようとした途端、猪瀬氏が都知事を辞職すると自ら辞表を提出。

この辞職 ( 劇 ) も何やら胡散臭いものがある。
高村-1自民党の副総裁である高村氏が、「 知事の職務権限と関係する仕事をする人から、5000 万円の大金を受け取ったという外形的事実だけで、知事自身が出処進退を決断するのに十分だ。」 と語ったようだが、5000 万円受け取りの認知は何日も以前のことだ。
そして猪瀬氏を都知事候補として支持したのは誰あろう、自民党だったのだからなあ、もっと早くにマトモな判断と行動が取れたはずなのである。

自民党の総裁は安倍首相、副総裁が高村、幹事長が石破・・・・・
pict-P1080516-A公明党とやらも一体どないなっとるんや。
猪瀬氏が当選した時にはエライ意気軒昂であったような・・・・・
ぶっははははは
国政ばかりか都政でも、
むむむむむ


どいつもこいつもテキトーな奴ばかり。

まともで当り前な政治を求め、本気で都政を考えるなら猪瀬氏が辞職しようがしまいが 『 100条委員会 』 を設置して事実を解明すべきではないだろうか。
猪瀬氏は都知事の給与を 1 年分返上するとか言っていた。
選挙後の生活 ( 落選した時の ) を心配していた猪瀬氏が 1 年間も知事給与を返上するだと。
それだけしても知事職というのは大きい見返りがあるということだろうか。
都議会議場-2悪かったから給与返上で勘弁してくれってことだろうか。

たしかに、サムライの時代なら 『 ハラキリ 』 でチョン。
現代なら 『 辞職 』 が切腹の代わりかもなあ・・・・・

禊 ( みそぎ ) を終えたとか、社会的制裁を済ませたとか、武士の情けとかの言葉もあるにはある。
が、堪忍するには堪忍してあげられるような事案か事情といったものが考えられねばならん。
私は悪いことをした人であっても徹底的に責めて詰め切るべきと思っているわけではない。
武士の情けといった感覚を持ち合わせているし寛容の心の大切さも十分理解して検察徽章-1いる。
しかし、今回のような徳洲会を含む猪瀬氏の一連の言動や、彼を都知事にと支持・支援してきた自民党や公明党の自らの誤まちに対し寛大でいることは許せないのだ。

以前にも書いたが、原発事故を起こして多数の人々を困窮の立場に陥れておきながら、もうじきに丸 3 年を迎伊藤茂樹-1えようとするにも関わらず、今もって放射能による危険と不安を解消できないばかりか我が儘な駄々っ子のごとく国の支援ばかりを願っている東電の幹部連中は心底許せん。
それに、みずほ銀行のように
二面ヅラと二枚舌を持つ頭取を含む幹部連中も許せんのだ。

奴らは厚顔無恥の陳腐な輩にしか私の目には映らん。
まったく字の通り、『 無恥 』 なのだ。
日本人の価値基準の大切なひとつである 『 恥 』 が見れないのだ。

せめて検察がしっかりしてくれたらと思う。
ロッキード事件の時の東京地検特捜部はよく頑張った。 が、今回はどうだろうか。

しかし、東京地検は職務として当然果たさねばならないことだが、何よりも東京都民が猪瀬氏を選んだ責任を重く受け止めるべきである。
猪瀬氏がダメだったから次は誰にしようかって、東京都知事はそんな軽ーーい職と違うやろ。
政党もエエ加減やし、肝心なのは都民自身なんやが・・・・・


masatukamoto at 16:35│Comments(0)TrackBack(0)

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