October 16, 2017

今秋、興味惹かれる展覧会《2》

正しくは興味惹かれ《た》展覧会と書くべきものもあった。
家内に見てきてもらおうと思っていたのが国立国際美術館でのブリューゲル『バベルの塔』展(ボイマンス美術館所s-2017-09-30_220835蔵)もそうだ。 
会期が昨15日(日曜)までだったので残念ながらカタログのみの鑑賞となってしまった。
美術館の直ぐ近くまで出かける予定があるので、月末まで開催されていたならと残念に思っているのだ。
※ 写真は、そのカタログ。
s-2017-10-15_125659
今回の展覧会の主題に『バベルの塔』が挙げられていたが、開催予告を耳にした時、私は家内と共にウィーン美術史美術館で鑑賞した絵を思い浮かべたのだった。
ところが続いてボイマンス美術館所蔵と聞き、正直「エエッ?」と驚き不思議に思ったのだった。
美術史に詳しいとかブリューゲルが好きだとか言う人は別にして、ブリューゲルが描いた『バベルの塔』が2枚あることを知っている人は少ないのではないかと私は思うのだ。
s-2017-10-02_150557
上は左がボイマンス美術館所蔵、右は現地で撮ったウィーン美術史美術館所蔵の『バベルの塔』。
ボイマンス美術館所蔵の写真はカタログに入っていた畳半畳分より少し小さい原寸大(59.9×74.6cm)ポスターを摂ったもの。2枚を同程度の大きさにして並べているがウィーン美術史美術館の絵のサイズは114×155cmと大きいものであった。
s-2017-10-15_125822
ウィーン美術史美術館は今思い出しても立派な施設で『凄ーい』と感心するばかりだ。何と言ってもオーストリア・ハs-2017-10-02_144601ンガリー帝国のフランツ・ヨーゼフ1世(ハプスブルク家)の指示によって出来た施設なのだから収集品は質量ともに世界一級であることは間違いない。
そればかりではない。館内で小学生に美術鑑賞の授業、大学生らしい人たちが自由にs-2017-10-02_145436模写していたし写真撮影も可能と、将に学びの為に世界の一級品を公開していたのだ。
美術館で撮影してきた写真を見直してみるとブリューゲルの作品では『農民の婚宴』や『雪中の狩人』などがあり思い出すことも多い。
s-2017-10-16_134238
ブリューゲル『バベルの塔』展の開催をを知った時、私が頭に描いた『バベルの塔』はウィーン美術史美術館で見た絵だと書き、ボイマンス美術館所蔵と聞いて驚き不思議に感じたとも書いた。が、美術品は展覧会の為に一時的にs-2017-10-16_064124他の美術館で展示されることもあるので、それなりに納得していたのだ。
ところが展覧会の評に【ブリューゲルの『バベルの塔』が24年ぶりに来日】と書いてあるのを発見したのだ。
【ボイマンス美術館・24年ぶり】。
s-2017-10-12_140812この言葉の結び付きから24年前に開催されたボイマンス美術館展(大丸ミュージアム、大阪梅田・大丸デパート)に行ったことを思い出し、書斎からカタログを取り出してきたのだ。
前にも書いたが写真印刷の質的向上には素晴らしい進歩があり、スケールを気にしなければ色彩的には実物と変わらないと私は感じている。
40年ほど以前の美術館の目録本など印刷に於いて現代のカタログと比べれば将に月とスッポンのようなものである。
s-2017-10-12_135803美術書と言っても、作家の絵画の全てを収録しているわけではないし、展覧会で鑑賞しても主題、構図、色彩など
何もかも記憶出来るわけではない。
どれだけ気に入った作品でも月日の経過と共に人間の脳というものは忘れていくものである。
だから私は記憶を呼び起こすための補助として写真を撮ったりカタログを購入したりしている。
s-2017-10-12_141151上に掲げた写真4枚は24年前に開催されたボイマンス美術館展カタログの表紙とルーベンス、レンブラント、ライスダールの絵だ。
『光の画家』と呼ばれるレンブラントだけでなく、ライスダールも白と黒の対比により絵を力強いものにしている。白と黒、光と影、明と暗といったことを観点に見ればオモシロイと私はカタログを見ながら記憶を思い起こしていたのだ。
前回に北斎展を楽しみにしていると書いたが、葛飾北斎の娘・応為(お栄)は『江戸のレンブラント』と評されているs-2017-10-16_221404ように『吉原格子先之図』(太田記念美術館所蔵)で白と黒、光と影、明と暗をとても上手に取り入れ表現していると私も思っている。
北斎と娘・応為に何か通ずるものが有るや無しや、そんなことも気になるところだ。
s-2017-10-16_230120




masatukamoto at 23:01│Comments(0)

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
記事検索
月別アーカイブ