January 25, 2018

追 悼《補》

『生きているサイレンの音』(青春の頃)
          森山 久美子
ただの音だったサイレンを
大戦中から 心が聴きはじめた

女学生のころ 報道が緊迫を伝えると
サイレンの音は うごめく生きもののよう
空気を震わせ怖れの予告を孕み
耳から心臓まで刺すように響く

女学校帰り 他家の軒下で身をかがめ
飛行機が
去るのを待つことも屡々

かつて女学生だった私の耳底深く
貼りついてるサイレンの音が
今尚
屡々 目を覚ます

  ※ 新現代詩《19》2013年12月年末号より
s-水色線-1


masatukamoto at 12:11│Comments(0)

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