February 08, 2018

慣わし

節分は過ぎたけれど春は未だ未だ遠いような・・・。
今日も随分冷え込んでいるが家内は出勤。お土産を期待したいところだが無事に帰ってくればそれで良い。
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お土産と言えば2月3日には7種巻きという太い巻寿司をデパ地下で買ってきてくれた。
帰宅が夕飯時になることや、お寿司が私の好物であることに加えて2月3日が節分にあたるという条件も考え合わせた結果の土産であったようだ。
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マグロ、サーモン、海老、イカ、キュウリ・・・玉子と何だったか分からないが言わばネタ巻きと言える代物だった。
7種は七福神に繋がると言うから何とも縁起の良い巻寿司ではある。
世間で言われる通り、歳神様が来られる方角(恵方)の南南東に向かって大口を開けてパクリ。
喋ってはいけないという決まりも守った。
だが太巻き1本を黙って食べ尽くすのはチョット無理であり、願い事をするというのも我が宗旨に沿わないのでやらなかった。
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恵方巻きの丸かぶりもそうだが、行事や風俗、慣習といった人々が行うことには必ず『謂れ』がある。
その元始まりは神仏に対する信心や畏れ敬う気持ちであったり、或いは人智を超える森羅万象に対する恐れから発したことが殆どであると言えよう。
s-2018-02-06_072754宏大無辺なる力に頼ることで難を免れることを祈ったり幸いの到来を願ったりと、除災招福の思想は古来人々が生活する上で最優先されるべきことであり、そうした思いが様々な地域で様々な慣習を生み出し伝承してきたのだ。
節分しかり。
「鬼は外、福は内」の豆撒きしかり。節分の豆を年齢の数だけ食べることも。そして節分にイワシを焼いて食べ、鰯の頭を柊の枝に刺して門口に飾り、鬼除け魔除けの慣わしとしていることもある。
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長い歴史の過程に於いて行事・慣わしといったものの中には凋落して全く伝承されなくなったものもあるはずだ。
科学知識や技術の発展で不合理性が明確になったことは徐々に消え去ってきたはずだ。もともと人間が生み出してきた慣わし故に消していくのも人間である。
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恵方という意味合いも元は中国・陰陽道より出でた思想で人が生み出したものだ。巻寿司は起源は分か2018-02-08_134508らないが人間が作り出したものに違いは無い。故に、恵方に向かってとか、丸かぶりだとか、願い事を念じつつ声には出さないなどといったことは当然のことながら後付けのことである。
一説には寿司屋の陰謀だとの声もある。
善き慣わしなら長く伝承されるだろうが、悪しきことと多くの人たちが思うようになれば自然に消滅していくだろう。
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2月4日の立春、売れ残った大量の巻寿司や巻寿司の具材がゴミ処理機に投じられる映像をテレビが流していた。
節分。ただ一日の為に用意された大層な量の食材が生ゴミに。
慣わしと商い・・・
s-2017-12-04_1740262月14日。キリスト教の聖人をチョコレートと結びつけて商売繁盛に利用したのは某洋菓子屋と言われている。
これも慣わし。
もともと素朴であった行事・風俗・慣習といったものが、何だか次々と欲ボケ人間s-2017-12-04_174452に乗っ取られているような・・・
かく言う私もチョコを頂けることは嬉しい。ぶっはははは

はてさて本日もご出勤の家内は何を土産に持って帰ってくれるだろうか。
楽しいことを考えることにしよう。

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masatukamoto at 14:47│Comments(0)

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