April 15, 2018

酒 盗

昨日の本稿でも山本一力 氏の作品の追っかけをしていることを書いたが、氏の作品の9割以上が時代小説であると私は推測する。追っかけの最中ゆえに全作品を承知していないので推測と表現したが多分間違ってはいないだろう。
s-2018-04-14_070041
以前にも書いたが山本氏の作品に触れたのは『ジョン万次郎漂流記』(井伏鱒二・著)をもう一度読んでみたいと思ったところ氏の作品『ジョン・マン』を発見したからだった。
『ジョン・マン』は中浜万次郎の人生を柱とする作品ゆえ、彼の生地・土佐と、遭難した彼を救った米国捕鯨船船長ホイットフィールドとの関わりから米国や捕鯨船の寄港地が舞台になっている。
s-2018-04-14_071735
私が読んだ限り、山本一力 氏の作品は江戸時代後期、とりわけ1700年代の江戸・深川を舞台とするものが多いようだ。s-2018-04-15_210106
勿論深川以外の町も舞台となり、加賀・金沢、紀州・新宮、大坂や土佐が舞台となる作品もある。
それらの作品に見られる人々の暮らし(貨幣価値、物流、風俗習慣など)について私が幼少期に経験してきたことと重なることも多く、そうしたことが作品のストーリーや作者の表現力にプラスして氏の作品を余計に楽しめているというわけだ。
s-2018-04-15_202654勿論私は昭和生まれで江戸の生まれではない、が、私の幼児期には箱膳を使ったし母親が箱枕を使った様子も記憶しているなど江戸後期と昭和との文化的共通性が結構あるのだ。
山本氏の作品の追っかけをしていると時代考証に関する取材もしっかりしておられると感じるのだ。
ただ『牡丹酒』という作品を読んだ折に『ええっ?』『そやったかなあ?』と、以前より聞き知っていたこととの違いに戸惑ったのだった。
s-2018-03-21_085852鰹のハラワタの塩辛『酒盗』だ。
山本氏は『牡丹酒』の中で酒盗と名付けたのは柳沢吉保だと書いていたが、私の古ーい記憶では高知の殿様、山内氏だったと。
s-2018-04-14_070811
山本氏の取材はしっかりしているから多分根拠があるのだろうが、いったいどちらが・・・。
s-2018-04-16_174248





masatukamoto at 21:40│Comments(0)

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
記事検索
月別アーカイブ