March 11, 2020
春の酒肴一品
家内が摘んできてくれた土筆(つくし)の袴(はかま)を剥いた。
袴を剥くのは帯を解くようにくるりと茎を軸に回転させて剥くのが最も良い方法だと思い、私はずっとそうしてきた。親指と人差し指で袴を割くように剥くのである。だから袴を剥き終えた爪の先はアクが付いて黒くなり、これは少しくらい石鹸で洗っても綺麗にならないのだ。
そこで袴を縦にめくるように剥くと簡単で綺麗で楽だ、と思うのだが、そうすると茎の繊維が袴に付いて剥け、土筆の細い茎が更に細くなって使い物にならなくなるのだ。
楽をして済まそうという考えはアカンというのが我が庭訓のひとつだが、土筆の袴剥きにも当てはまるように思う。
ところがたまたま見ていたインターネットのページの言葉にひかれ、付いて行った先で新しい手法を知ることが出来たのだ。
なるほど、これなら爪先が汚れることはないようだ。
グイッと深く差し込むと茎も共に剥いてしまうことになるかもしれないが、次回袴を剥く機会があれば試してみようと思う。
ともあれこの日の夕食には『つくしの炒め物』を付けてもらった。
塩・胡椒のみのあっさりした味わいであったが、『つくし』と言うだけで十分に春を感じることが出来たのだ。
佃煮のように煮て食べるのも良いし、今回の炒め物の最後に少しだけ醤油を垂らすと醤油の香ばしさが感じられて良いかも。茶碗蒸しなど椀物のあしらいにもなるが、ほんの一時期だけのものだから収穫も難しい。が、それゆえ珍しいという点で嬉しい食材とも言える。
収穫から調理、盛り付けと手間はかかるが春春春だ。
もっとも私がしたことは袴剥きだけだった。しかし時間がかかり、指先が汚れる作業であった。
調理作業の殆どは家内が行ったことは事実。しかし土筆やタンポポなどの野草を摘み、調理して食べる方法を家内に指南したのは私なので・・・(エヘン)書き添えておこう。
masatukamoto at 17:00│Comments(0)│