March 30, 2020

片付け〔2〕

不要不急の外出を控えてとの要請が行政から出てはいたが、既に予定を組んでいたので日曜日の朝から長兄宅へ出向いた。
長兄の蔵書の引き取りを古書店主に依頼していた、その日が昨日だったからだ。
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もう29年も前になるが、我が家の新築普請のため丸々1年間、長兄宅の筋向いの住宅に仮住まいしていた時期があった。s-2020-02-01_130721
向かい同士というのは何かと近い関係にあるものだが、それに兄弟という繋がりが加わるのだから間柄は一層密になり、行き来も多かったのだ。
時々長兄と共に駅まで歩き、超混雑電車に乗って勤務先へ向かうということもあった。
そんな時、「〇〇さん、今日帰りにどうかね。」と猪口を持つ手格好をしながら長兄がウィンクを送ってくるのだった。勿論のこと私に断る理由など無く、某駅で落ち合い近くの大衆酒場で杯を傾けながら会話を楽しみ二人揃って帰宅したのだった。
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居酒屋でも長兄宅でも様々な話をしたが、そんな中で3つの約束が出来た。もっとも約束と言っても話が発展する中での口約束だからエエ加減なことではある。
その一つが長兄の蔵書のことである。
長兄も私も読書好きなので書物に関する話をよくしたし、書籍の貸し借りもよくした。そうした話の延長で、「私の本は、いずれ〇〇さんに譲るからな。」と長兄が私にと言ってくれていたのだ。
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長兄の家は処分するので入用な物があったら持ち帰るようにと兄の言葉があったことと、長兄からは蔵書について譲ると任されていた経緯もあり、書籍類の片付けについては私がせねばならないと思い段取りを考えていたのだった。
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蔵書は長兄にとって宝物であったが、売買の価値は殆どゼロに近い。だから売って幾らかの利益を得るというよりも引き取ってくれるだけでも有難いと思わなければならないのだ。
10年ばかり前、単行本や新書・文庫本など軽トラの荷台いっぱいの本を古紙回収業者に引き取ってもs-2020-02-08_210248らったことがあった。この時に業者はゴミを捨てるように本を荷台に放り投げていたのだった。消費社会だ、情報化社会だ、電子書籍だと言われても私たちの世代は馴染めず、私はとても寂しい思いをしたのだった。
故に長兄の宝物に値が付かなくてもいい、私の目の前で大事に扱ってくれればいい、そう思って古書店を当たったのだ。
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私が懇意にしていたのは新刊書については書籍出版と販売の会社社長・N氏、古書については老舗大手の古書店主 I氏の二人。つまり新刊書は Ns-2020-01-15_180611氏、古書はI氏というお付き合いだったが、両氏とも既に亡くなっているので I氏の店の番頭格だった F氏に頼んで古書店主 H氏を紹介してもらったのだ。
昨日は トラック2台と4人態勢で書籍の引き取りに来てくれ、感心するほどスムースに作業を進めて書斎の書架をすっかり綺麗にしてくれた。
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気になっていた長兄との口約束 3つの内の1つについては昨日終えることが出来た。








masatukamoto at 14:00│Comments(0)

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