May 17, 2020

遺 伝

息子を保育所へ預けている頃だったから40数年前になるだろうか、『ルーツ(Roots)』というテレビドラマが放映されたことがあった。
クンタ・キンテという黒人少年が西アフリカで捕らえられ奴隷としてアメリカへ売り飛ばされる。当時のアメリカ南部は綿花プランテーション拡大発展の過程にあった。過酷な黒人奴隷労働社会の中で誇りs-2020-05-07_144737を持って生きるクンタ・キンテから親子三代、彼らの生き様を描いた作品であった。
緑短
ここで『ルーツ(Roots)』というのは草木の根ではなく祖先や家系という意味合いで使われているのだが、誰にでもご先祖様はある。
しかし子どもの頃の先祖との繋がりということでは、せいぜい祖父母まで認識している程度だろう。それが歴史学習などによって時間概念の広がりと共に先祖観も広がるものだ。
赤短
私の場合、ご先祖様と私の繋がりを聞かされたのは小学校6年生の時だったように記憶するが、系図を見てもお墓へ連れてもらっても漠然と理解出来た程度のことだった。
s-2020-05-07_141602中学生の頃にメンデルの遺伝法則を学んだ時も私から遡って三世代の範囲での遺伝について想いを巡らせた程度だった。

それはつまり私に関して記憶を基に脳裏に描き出せるご先祖様は両親と父方の祖父母だけだったからなのだ。母方の祖父母は私が生まれた時点で他界していた為私はその関係性を知っているに過ぎず、表象化させるだけの記憶を持ち合わせていなかったからだろう。
青短
私が初めて自分の意志でお酒を口にしたのは母親の通夜の折だった。12月末の寒い夜、親子ほど年差のある従姉妹の亭主が連れてくれた立ち飲み酒屋でのことだった。辛く悲しいときは飲めと。士魂商才を校是とする彦根高商を出て某大手商社にいたこの人物は不思議な魅力を持っており、精神的に落ち込んでいた私は特別な思案も無く付いて行ったように思うのだ。
紫短
はっきりと記憶していないのだが、関東煮(かんとだき)の厚揚げを食べながらガラスコップに注がれた熱燗を1杯飲んだのだと思う。
現代なら二人とも法律違反に問われ罰せられる行為であった。勿論当時も同じではあったが・・・触法s-2020-05-07_141007行為はさておき、後になってアノ時ちっとも酔わなかったことを思い出して、酒飲みの遺伝子を誰から受け継いだのか考えたことがあった。
空色短
両親は飲まない、というか父親は飲めない体質で母親は寝る前に養命酒を小さじ1杯程度を舐めるくらいだった。父方の祖父母は飲めなかった。母方の祖父母も飲めなかったと聞いていた。つまり私の2代前まで弱いけれどアルコールを許容出来たのは唯一母親だけだった。s-2020-05-07_144055
2代前以前のご先祖様については口伝てであるが、父方の祖母の父親の父親が大酒吞みであったとか。
私から見れば、ヒイヒイ爺さん、祖祖祖父か。
ピンク短
私はお酒が嫌いでは無いが大好きでも大酒吞みでも無い。料理によってお酒を飲むことも飲まないことも、一緒に食事をする人がいれば飲酒量が増えることもある。
体内に入ったアルコールはアセトアルデヒドに分解、更に酢酸・二酸化炭素・水に分解される。こうした一連の働きを酵素(ADHやALDH2)が担うのだが、ご先祖様の誰からこれらアルコール分解酵素を受け継いだのか分からないのだ。
緑短
遺伝情報を伝える物質(遺伝子)を含むDNAは直径2㎚(ナノメートル)の塩基配列だとされる。
s-2020-05-04_1051112㎚(ナノメートル)=0.000002mm(ミリメートル)
系図や墓と目に見えるものでさえご先祖との繋がりが分からないのに、ナノメートル単位で表す遺伝子情報など分かるわけが無いので当然なのだが、誰の遺伝子を承継したのか気になる気になる。


masatukamoto at 16:33│Comments(0)

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