July 27, 2020

いやな客

一人暮らしをしていた頃の私はあまり果物を買ってきて食べるということをしなかった。朝夕の食事は基本的に家で取るようにしていたが、私の食事に果物は含まれてはいなかった。つまり食事というのは、ご飯・おかず・汁の3種が揃っていれば良かったのである。おかずも2品3品など要らない、極端に言えばご飯さえあれば良かったのだ。s-2020-07-01_133814
食事についても、いずれ記憶を辿りつつ書く機会があるだろう。
むらさき短い
先月(6月)から今月にかけてデラウェアを食べることが多かった。果物にしても嫌いな物は無いので出されれば残さず食べるのが私の流儀。強いて言えば種のある果物は邪魔臭くて苦手ではある。私が子どもの頃、スイカの種は盲腸(虫垂炎)になるからと食べないように言われていた。そのため果物の種は取り除いて食べるものだとの考えを自分で定着してきたように思う。
ビワの種は大きいし、マッカ(真桑瓜)は小さな種が房のように集まり、リンゴは種の辺りが硬いといっs-2020-06-19_152824た状態が、種を取り除いて食べることの正しさを示してくれてもいた。
だいだい短い
ジベレリン液で処理した種なしデラウェアが出回るようになったのは随分と昔のことになるが、邪魔臭がりの私は食べ易くなったと大いに喜んだものだった。
種なしデラウェアは島根・長野・山形、勿論大阪(柏原)や奈良(平群)といった地元の物も購入するが大概は産地より箱入りで送ってもらうのだ。
一昨日デラウェアが宅急便で届いたので家内が箱ごと冷蔵庫に収納しておいたのだった。
かき色短い
それを昼食のデザートにと箱を開けて一房を取り出したところ、何と珍客が。
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冷蔵庫の中で冷やされ続け行動力が鈍っていたのだろうか、生きてはいるもののガサゴソ動く元気も無く、超スローモーションで体をくねらせていた。
こ奴、ふるさとのブドウ畑から宅急便のトラックに乗ってはるばる旅をしてきたのかもしれないが、私には歓迎する気持ちなど無い。だから家内に熱湯を持ってこさせて、ザッとひとかけ。
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背中は黒備えの甲冑を身に付けたが如き黒光り。腹の側は薄い琥珀色と綺麗な身なりながら、身のこなしようが何とも気色悪い奴である。
雑木林が我が家の傍にあった頃は家の中でもしょっちゅう見かけたものだ。以前にも書いたと思うが、s-2020-07-27_093036夏の夜、手洗いのスリッパの中に潜んでいた大きいムカデに噛まれて足の指が腫れて痛かった。この時のことは今も腹立たしい記憶として残っている。
ムカデの口の部分を拡大したが、奴の口はヤットコの先のような形をしているのだ。
私が子どもの頃の歯医者さんは抜歯の時にヤットコを使っていたが今はどうだろうか。通常のヤットコの先はモノを掴むために平べったい面になっているが、ムカデの口は先が尖って捕まえたモノに刺さるようになっているのだ。
s-2020-07-27_161057足の先をスリッパに突っ込んだ途端に噛まれた私の痛みを想像してもらえるだろう。
青色短い
家内が世話している植木鉢の底の辺りにもいるのだ。子どもの間は全身白い色でヤスデやダンゴムシなどと共にいるが、今の時期はもう立派な黒備えの甲冑を着たムカデに成長していることだろう。
私の天敵と言える、いやな奴である。


masatukamoto at 16:00│Comments(0)

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